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金沢を描く絵画コンクール
後援:金沢市教育委員会

第22回絵画コンクール 入選発表

こどもたちに絵画を通してまち博に参加してもらおうと2002年に始まった作品コンクールは今年で22回を数えます。 今回も金沢のまちなみや営みがイキイキと描かれた力作が勢ぞろいしました。その中から選ばれた、優秀な作品を発表いたします。金沢美術工芸大学名誉教授 前田昌彦先生による審査の結果、大賞1点、準大賞1点、開催委員長賞1点、奨励賞1点、入賞14点が選ばれました。

「芸術のまち金沢」

大賞北川 千絵 さん 森本中学校3年

[選評]
香林坊に設置されている郡順治氏作「走れ!」と題する彫刻を、金沢21世紀美術館のレアンドル作「スイミング・プール」の底に置いて見るという奇想天外な想像力で描かれています。水彩画の透明感をうまく活かして揺らぐ水面、降り注ぐ陽光、硬質な金属を見事に表現しています。金沢の新しい道筋を思わせるような明るく力強い作品です。

「光の空間を生む鳥居」

準大賞喜多 絢音 さん 高松中学校3年

[選評]
石浦神社に新名所として101基の鳥居が並ぶ道が作られています。重厚な不透明水彩で塗り込められた朱色が樹木の緑を背景に圧倒的な存在感を見せています。鳥居の質感や遠近感、さらに木漏れ日も上手く描かれています。描写力、構成力に優れた作者の力量が感じられる作品です。

「ここに流れる、金沢の歴史」

開催委員長賞深谷 心美 さん 兼六中学校2年

[選評]
長町武家屋敷跡の大野庄用水が豊かな水量で流れる様を巧みに捉える一方、堅固な石垣に設えられた土塀、屋敷の庭木など細部に至るまで丁寧な描写がなされていて、作者の優れた観察眼と表現力に驚かされます。明度の高い絵の具の取り扱い方も作品の品格を高めています。

「しいのきげいひん館」

奨励賞桐生 健吾 さん 大浦小学校6年

[選評]
矢橋賢吉設計の名建築である旧県庁のしいのき迎賓館外壁は堂々とした姿を誇っています。作者はその姿を的確なデッサン力と彩色によってしっかりと描いていて堅固な作品となっています。単純化した形や重厚に塗られた色面が重量感や存在感、遠近感を見事に表しています。

入賞「兼六園」

奥 愛恵 さん 森本中学校3年

[選評]
抑制した色彩を用いて兼六園を実に巧みに描いています。作者が事物の形態、明暗の階調などを抜群の観察眼と描写力で表すことのできる能力を備えていることが伝わってきます。このアングルの構図がややカメラ的な切り取りを思わせるところは狙いなのでしょうね。

入賞「かがやけ!金沢」

橋本 月那 さん 森本中学校3年

[選評]
金沢駅東口の噴水時計が勢いよく噴き上がって”かがやき”がまるでその上を走っているようで見ていて楽しくなる作品です。鼓門を側面から捉えた着眼もユニークです。細部にこだわらず狙いを絞って描いたところに独創性があります。

入賞「加賀野彩」

高井 蓮太 さん 北鳴中学校3年

[選評]
加賀野菜を構成してしっかりと見応えのある重厚感のある色彩で描いたところがとても良いと思います。野菜や背景の色が多彩であるのに対して、テーブルの色を白にしたところに作者の工夫が感じられます。

入賞「夕暮れと鈴木大拙館」

岡田 彩央奈 さん 高松中学校3年

[選評]
とても難しいモチーフを選んでよく捉えていると感じます。鈴木大拙博士の思想までをも体現できるような静謐な建物です。夕暮れの空と人工的な光を上手く描き分けています。ここを描いた経験はとても貴重なものになると思います。

入賞「きれいな金沢城」

寺山 比奈 さん 高松中学校2年

[選評]
まだ薄明るい夕空を背景にライトアップされた石川門と桜を捉えた狙いがとても良いと思います。やや広角レンズ気味な前屈みの城郭を、向かいの桜の枝がしっかりと支えているような構図となっています。明晰な調子も効果的です。

入賞「兼六園」

川﨑 智花 さん 大徳中学校2年

[選評]
ほぼ無彩色のみで彩色したうえに、灯籠や樹木、庭石、雪、水面の形を単純化して捉えたところなど絵画手法として非常に上手いと感じます。冬の冷気までもが伝わってくるのは作者の豊かな感受性の表れかと思います。

入賞「橋と夜桜」

辻 花音 さん 兼六中学校2年

[選評]
奥に梅ノ橋を望むライトアップされた夜桜は金沢の風情のある景色のひとつです。桜の明るさを表すために背景に黒を使ったところは冒険だったと思いますが、この作品の場合は黒の品格が上手く出ていて効果的です。ぼんぼりの描写も絶妙です。

入賞「秋の兼六園」

中川 花音 さん 兼六中学校2年

[選評]
まさに明鏡止水ともいうべき澄み切った霞ヶ池と青空が印象的な作品です。すでに雪釣りがなされているので11月に入った頃でしょうか。大切に守られてきた兼六園は金沢が世界に誇れる名園です。作者の思いが伝わってくるようです。

入賞「金沢の伝統工芸と尾山神社」

福村 咲歩 さん 兼六中学校2年

[選評]
思い描いたものを実際に絵に表すことは簡単なことではありませんが、作者はそのような技能に恵まれているようです。卓抜した描写力には驚かされます。特に尾山神社神門はそれ単体だけでも見事な出来栄えです。

入賞「あざやかな兼六園」

廣瀬 綾音 さん 大浦小学校6年

[選評]
もみじの赤や樹木の緑、そしてその色の反映を受けることじ灯籠など自然の事物を作者の色感で自由に描いていて面白いと思います。水彩画の特色である色のにじみやボカシを使って枝葉や水面のしなやかさを上手く表しています。

入賞「忍者寺」

松本 脩佑 さん 大浦小学校6年

[選評]
”忍者寺”と呼ばれる妙立寺の門がまえ、石だたみ、お堂を深い色で描いていて、まるで忍者が出てきそうな感じさえします。特に暗い青空に対する石だたみの赤茶と緑の補色を組み合わせた色使いが面白いと思います。

入賞「ぶけやしき」

中村 妃咲 さん 大浦小学校6年

[選評]
繁華街の裏手に残る長町武家屋敷跡はまるで江戸時代のような雰囲気が漂います。土塀や石だたみ、屋敷内の庭の樹木などをのびのびとした筆づかいで描いていますが、重厚な色を選んでいるところが歴史を感じさせてくれるのだと思います。

入賞「金沢城」

長野 龍志 さん 小立野小学校5年

[選評]
加賀五彩にライトアップされた五十間長屋の様子でしょうか。提灯を持った多くの人が鑑賞していることも分かります。色の帯の中に石垣の格子模様を描いたことでデザイン化されたような感じを出しているところが面白いと思います。

入賞「兼六園」

石立 夏凛 さん 小立野小学校5年

[選評]
水彩絵の具のしみで描いたように見えますが、”ことじとうろう”と”虹橋”、かすみが池の”内橋亭”などが具体的に判別できるように描かれていることで兼六園を取材したことが分かります。ものの形を的確にとらえたところが良いところです。

【展示会場】北國新聞赤羽ホール(南町2-1)1階交流ホール前にて、全作品を展示します。

展示期間:7月22日(土)~7月30日(日)10:00~17:00