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第20回絵画コンクール 入選発表

こどもたちに絵画を通してまち博に参加してもらおうと2002年に始まった作品コンクールは今年で20回を数えます。 今年は119点の作品が寄せられました。金沢美術工芸大学名誉教授 前田昌彦先生による審査の結果、大賞1点、準大賞1点、開催委員長賞1点、奨励賞1点、入賞11点が選ばれました。

「石川門」

大賞廣野 楓奈さん 兼六中学校2年

[選評]
薄暮に映える石川門と満開の桜が色彩感豊かに描き出されています。筆遣いは大変繊細ですが、その一方で静的で堅固な城門や城壁に対して、桜の枝やぼんぼりの斜めの流れが絵にゆるやかな動勢を与えるという大胆な構成がなされています。金沢のベストビューポイントの桜の花あかりまで描き切った秀作です。

「幻想的な夜の金沢」

準大賞小山 千夏さん 高松中学校3年

[選評]
まさに黄昏時(たそがれどき)のひがし茶屋街の一角をうまく表現しています。人は描かれていませんが歩く人の下駄音まで聞こえて来そうな情緒があります。水彩絵の具の透明感のある特性を用いて、画面全体を歴史を感じさせるような色彩の世界に仕上げた技量はみごとです。

「石川の海と陸」

開催委員長賞浅沼 桂秋さん 紫錦台中学校1年

[選評]
美味しいはずの魚、のどぐろさえも巡りめぐって海洋プラスチックを躰に蓄積しているのかもしれませんね。
でもなぜかこの作品は明るい色を使って前向きな未来を感じさせてくれるところが良いと思います。泡の中の魚屋さんの店先にも物語がありそうです。

「歴史いっぱい~金沢城~」

奨励賞三宅 麻由さん 大浦小学校6年

[選評]
橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)と五十間長屋を遠望した構図によって、広々とした空間を画面の中に表すことに成功しています。城の白壁も質感があり木々や石垣もとてもしっかりとした彩色がなされています。観察眼、描写力ともに見事な作品です。

入賞「金目鯛と近江町」

木下 雄介さん 紫錦台中学校1年

[選評]
近江町を行きかう人々。威勢の良い魚屋さんの売り声が聞こえてきそうです。鯛や左下の人の頭を大胆にアップにして絵に遠近感を作り、その一方でお店を丁寧に描写してみせるところがとても良いと思います。

入賞「金沢港の船と光」

滝川 莉央さん 高松中学校3年

[選評]
金沢港クルーズターミナルが背景の家並みと共に美しく光り輝いています。人工の明かりと空からの光、そして海面に映る反射光などの取り合わせの面白さが広大な景色の中に描かれています。

入賞「朝焼けの鼓門」

三浦 由愛さん 高松中学校3年

[選評]
幾何学的な形に関心を持ってきちんとした仕事をしていて、とても清潔感があり堅実な印象の作品です。色彩にも濁りがなく明快な空間を感じさせます。アプローチの色彩のニュアンスも見どころです。

入賞「夕焼けの兼六園」

内田 紗奈さん 高松中学校3年

[選評]
冬の澄んだ空気の兼六園を抑制された色彩でしっかりと描いていて、特に夕空の複雑な色の変化はこの絵の見どころです。まるで浮世絵のようなスッキリとした奥行きが感じられます。

入賞「冬の金沢と美しい鳥と景色」

岡田 優さん 高松中学校2年

[選評]
落ち着いた色使いと筆運びが冬の金沢らしい雰囲気を感じさせてくれる作品です。屋根雪の白と羽毛の白が呼応して風景の中に鳥たちがみごとに溶け込んでいます。

入賞「新鮮な街」

由井 理央さん 高松中学校2年

[選評]
茶屋街を色彩豊かに描いています。近景も遠景も手を抜くことなく集中力を持って筆を運んでいることがわかります。特に格子戸の描写はこの絵の重要な部分ですが、とてもていねいに描かれていて効果的だと思います。

入賞「夕焼けに輝く浅野川」

岡田 彩央奈さん 高松中学校1年

[選評]
逆光のシルエットとして浮かび上がる浅野川沿いのビルや家並みが、夕やけ空を一層輝かせています。大胆な明暗の対比が奥行きのある空間を作り出し、川面を美しく浮かび上がらせています。

入賞「前田利家のお墓」

岩前 海音さん 大浦小学校6年

[選評]
うっそうとした静かな野田山の墓地を軽妙な筆遣いで描いていることで、動きのある独特の作品になりました。色数を抑えたことによって場所にふさわしいまとまりも感じられます。

入賞「金沢城」

竹津 裕真さん 大浦小学校6年

[選評]
菱櫓(ひしやぐら)を描いたものでしょうか。単純化したことで城郭の堅固感がよく出ています。青い空の筆使いもリズムがあって屋根、石垣、白壁のモノクロームと快い対比を生み出しています。

入賞「雰囲気??尾山神社」

大竹 遥介さん 大浦小学校6年

[選評]
色感の良さを感じさせる作品です。線描もよどみなく描かれていて並並ならぬ描写力を感じさせます。真正面から神門に向き合ったことはとても良いと思います。

入賞「けんろくえん」

成出 結人さん 大浦小学校6年

[選評]
雪吊りにのみ焦点を当てて描いたことで狙いのはっきりとした絵になったと思います。思い切って木の形や色を単純化したことで絵の中の自分の形を見つけることができたのではないかと思います。